(甲は生きている4、原点は盆踊りの拍手、中高年バンド、結成1
7年)
9月下旬の夜、穴水町甲地区にある音楽スタジオ。「今日はキーを
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決めよう」「この曲は難しいな」。中高年5人で構成する「かぶと
バンド」が11月に町内で開かれるイベントに向け、「スタンドバ
スタジオ。今日はキーを
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イミー」「ルージュの伝言」など6曲を練習していた。
音楽スタジオを建てたのは、リーダーでベースの濱出泰治さん(6
6)=甲=。経営する会社の敷地内にあった製材工場を5年前に改
修した。「以前はクーラーがなかったから、夏は窓を開けて演奏し
ていたけれど、何も言われんかったわ」と笑う。巧拙は別にして、
周囲に家が多ければすぐに苦情が来そうなエピソードがさらりと出
てくるのは、奥能登ならではの光景か。
(バイク事故を機に)
バンド結成の経緯はこうだ。濱出さんは50歳の時、趣味のバイク
で事故に遭って入院。仕事で付き合いがあって見舞いに来た上田祐
樹さん(50)=七尾市=に「バンドならけがすることはないよ」
と言われたことが妙に頭に残ったという。
「高校時代にもバンドを組んで」
高校時代にもバンドを組んでいた濱出さんは退院後すぐに仲間集め
いた濱出さんは退院後、戻る1
に走る。自宅から半径300メートル以内に住む4人に声を掛けた
濱出さん。たまたま近所だったとの理由で現在唯一の女性メンバー
石崎都さん(48)=ボーカル、甲=は「いきなり家に来て歌えっ
て。もうむちゃくちゃですよ」と笑う。
バンドは地区の盆踊り大会を盛り上げることを目標に掲げた。楽器
初心者もいたから、形になるまで時間がかかったというが、拙いな
がらも、住民の前で演奏を披露するとたくさんの人が喜んでくれた。
知った顔ばかりから受けた大きな拍手はやはり暖かかった。濱出さ
んは「ずっとやっていきたいと思った」と振り返る。
(呼び間違いが定着)
以来、長谷部まつりや雪中ジャンボかきまつりといった町内の催し
をはじめ、奥能登の大小さまざまなイベントに出演。レパートリー
は日本のポップスや洋楽など約60曲で、イベントに合わせて曲目
を変える。
「ちなみに、もともとは」
ちなみに、もともとは「パステルプリン」と名乗っていたそう。た
パステルプリンと名乗って、戻る2
だ、なかなか覚えてもらえなかった。10年ほど前に出た能登町で
のイベントで、甲のバンドだからと間違って「かぶとバンド」と紹
介され、わかりやすいとそれが定着したらしい。
仕事や出産で入れ替え、増減を経て、ここ3年は小川浩さん(51)
=ギター、東中谷=、天方大介さん(64)=ドラム、金沢市=の
ほか、上田さんもギターで加わった形で落ち着いている。
メンバーは口をそろえて「型にはまらず何でもあり」と今年で結成
17年目を迎えたバンドを表現する。「まわりを乗せるのがうまい」
(小川さん)という濱出さんを中心に、それぞれが、地域を、奥能
登を盛り上げたいという共通の目標があるから、活動が長く続いて
いるのだろう。
「原点である地区の盆踊り大会」
原点である地区の盆踊り大会はコロナ禍でここ3年は開催されてい
コロナ禍でここ3年、戻る3
ないが、「また盆踊りで演奏したいし、地域に密着して活動してい
きたい」と濱出さん。取材を終えたスタジオを出ても、まだまだ自
分たちのライブは終わらないとばかり、5人のサウンドがいつまで
も聞こえてきた。甲は生きている4、原点は盆踊りの拍手、中高年
バンド、結成17年。中高年のバンドをやりたいという気持ちはよ
く理解できます。私も高専時代に学園祭の時に、バンドをバックに
ボーカルで歌っていました。大学時代はフォークソングの全盛期で
生ギターでバンドを組んで歌っていました。とても懐かしいです。
部活は硬式テニスをやっていたので、終わってから誰かの下宿に
集まってよく練習したものです。とても楽しい時間でした。その
ギターは今でも持っています。活動はカセットテープに録音して
保存してあります。時々聞きますが懐かしくて涙が出てきます。
青春のいい時代でした。
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