「行政に任せっきりじゃなく、町民も自分のまちを良くしようと、
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気づいたことを行動に移すのが大事やと思ってやってきた」
鶴ヶ丘4丁目の片桐紀隆さん(83)=金沢市生まれ=がこう言
まちを良くしようと、
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って、町内の地名と数字が書かれた1枚の紙を差し出した。
よく見ると、バスの時刻表のようだ。町全域を巡回するコミュニ
ティバス「なだバスナディ」を町民が利用しやすいよう今年春の
ダイヤ改正に合わせて作成し、データを全公民館に送ったという。
バスの時刻表なら各停留所に掲示され、町のホームページでも見
られるのに、なぜ独自に作ったのだろうか。
なだバスは、南北に細長い町全域を時計回りや8の字に循環する
ものなど四つのルートに分かれており、すべてが町役場や金沢医科
大病院、内灘駅など利用頻度の高い施設を巡る。
「片桐さんによると、よく練られて」
(高齢者も見やすく)
片桐さんによると、よく練られて利便性が高いが、高齢者の一部か
利便性が高いが、高齢者の、戻る1
ら乗り換え時の時刻表の見方が分かりづらく、文字も細かいとの声
を聞き、作成を思い立ったそうだ。ルートごとに各バス停の出発時
間が表示された既存の時刻表とは別に、得意なパソコンを使って出
発、目的地別に表記し直した早見表となっている。
「高齢社会でバスは不可欠。完全ではないだろうが、少しでも助け
になればと思っとる」と片桐さん。早見表を活用しているという鶴
ヶ丘4丁目の中田キミさん(80)に聞くと、「バスを乗り間違え
ることもなくなり、行き帰りが楽になった」と笑顔を見せた。
片桐さんは自身「のりたかのボランティア」と名乗って、早見表の
ほかにも、さまざまな地域活動に取り組んできた。「時間があった
ら暇つぶしのつもりだったが、気づいたら25年以上になった」そ
うだ。
「高校卒業後、金融機関を経て」
高校卒業後、金融機関を経て金沢医科大に勤務したが、体調を崩し
金沢医科大に勤務したが、戻る2
て56歳の時に早期退職。しばらく家で療養していたが、知人に紹
介され、経理の仕事で身につけたパソコンの知識を住民に教えたの
がボランティアの最初だ。公民館のパソコン教室のほか、小中学校
のパソコン授業のサポートを頼まれることもあった。
2005年から13年間、町内のデイサービスセンターなどで、利
用者に腹式呼吸を伝授するカラオケ健康教室を開いたことも印象深
い。最初は1回きりと軽い気持ちで引き受けたが、利用者の「楽し
かった。また来て」の声がうれしく、やめられなくなったという。
(厚労相表彰受ける)
1998年から毎月数回、地区住民向けに生活情報をまとめた手
作り情報紙の配布も続けている。北國新聞などで情報を得た特殊
詐欺の手口を載せて注意を呼び掛けたり、新型コロナウイルスな
ど病気の予防法を伝えたりしている。
そんな活動が評価され、2020年にはボランティア功労者厚生
労働大臣表彰を受けた。片桐さんは「『ありがとう』の声が何よ
りの励み。知力と体力の限り続けたい」と意気盛んだ。
「昭和40年代以降、町内外各地から」
昭和40年代以降、町内外各地から集まった住民が力を合わせて
集まった住民が力を合わせて、戻る3
発展させてきた鶴ヶ丘。取材先の人たちが口々に語るのは「地域
への恩返し」の気持ちだった。
まだ住んで日の浅い富山出身の身だが、微力ながら紙面を通じて
地区の力になりたいと、思いを強くした。鶴ヶ丘の恩返し、身近
な情報25年発信、「ありがとう」が励みに、厚労相表彰受ける。
片桐さんのように得意のパソコンを使って地道に25年も地域に
ボランティアで貢献できるのは、素晴らしいことです。なかなか
続けるのは大変だと思います。それで厚労相表彰まで受けたのだ
と思います。25年も頑張るのは並み大抵の努力ではありません。
忍耐強い人なんでしょうね。
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