(ツバメ大飛躍、選手信じ最下位から頂点川端十二回に決勝打、初
の延長戦死闘5時間)
SMBC日本シリーズ2021は27日、ほっともっとフィールド
神戸に舞台を移して第6戦が行われ、ヤクルト(セ・リーグ優勝)
が延長十二回の末に2-1でオリックス(パ・リーグ優勝)に競り
延長十二回の
勝ち、対戦成績を4勝2敗として20年ぶり6度目の日本一に輝い
対戦成績を
た。最高殊勲選手(MVP)には攻守でチームを引っ張った中村が初
めて選ばれた。
セ・リーグ球団の日本一は2012年の巨人以来、9年ぶり。リー
グ別の日本一回数はセとパが36度ずつで並んだ。史上初めて前年
の最下位同士の対戦となり、最下位からの日本一は1960年の大
洋(現DeNA)以来、史上2チーム目となった。
外部リンク
1-1で今シリーズ初の延長戦に入り、ヤクルトが十二回に代打川
端の適時打で勝ち越した。
(初の延長戦 死闘5時間)
ヤクルトの高津監督は最高峰の米大リーグでもプレーしたが、指導
者人生のスタートは国内の独立リーグだった。BCリーグ新潟で現役
最後の2012年に選手兼監督を務め、プロ野球を志す若者と膝を
つき合わせた時間が、選手自線に立つ采配の原点だ。
内部リンク
当時新潟で主将だった清野友二さんは「肝を据えて選手の気持ちを
優先させてくれた」と振り返る。失敗を責めず、敗戦後のミーティ
ングは極端に短かった。
シーズン終盤に抑え投手が救援失敗をくりかえしたが、見切ること
なく国内の独立リーグ王者を決めるグランドチャンピオンシップで
も起用。周囲の不安をよそに「今までそれで勝ってきた」とぶれな
い采配を貫くと、意気に感じた選手が会心の投球で優勝に貢献した
。
ヤクルトでも巧みに選手の力を引き出した。登板日を近づけて競争
心をあおった若手の奥川と高橋は二枚看板に成長し、ポストシーズ
ンを勝ち抜く原動力となった。日本シリーズでは新潟での経験を再
現するかのように、第1戦で救援失敗したマクガフを抑えで起用し
続けて信頼を示した。細やかに選手の心情を把握し、前年最下位の
チームを頂点に導いた。
(川端十二回決勝打) 「代打の神様」大仕事
「代打の神様」が大一番で試合を決めた。ふーっと大きく吐く息が
白い気温6度の敵地。ヤクルトの川端が1ー1の延長十二回2死一
塁から満を持して代打で登場した。
「捕逸で塩見が」
捕逸で塩見が二進し、ファウルを挟んだフルカウントからの7球目
二進し、戻る1
。バットを振り抜き、思いを乗せた打球が左前に落ちた。塩見が生
還し、川端は一塁ベース上で力強いガッツポーズを見せた。
オリックスの山本を打ち崩せず、延長に入っても救援陣に苦戦した
。試合時間が5時間に近づき、あと1死で勝ちがなくなった土壇場
で、今季何度も勝利に導いてきたベテランが勝負強さを発揮した。
3勝2敗で迎えた第6戦。ヤクルトはここまで先発投手が5回以上
を投げて好ゲームを演じてきたが、この日は早々に継投に踏み切っ
た。
先発6番手に指名された高梨は10月26日以来の登板で、立ち上
がりから躍動感のある投球を披露。ただ、五回に不運な形で失点す
ると、この回途中1失点で降板した。
その後はスアレス、清水、マクガフが回またぎの投球で踏ん張り、
川端の一打を呼び込んだ。
20年ぶり6度目の日本一。試合終了の瞬間、選手たちはベンチ
を飛び出した。高津監督は胴上げで10度宙に舞った。村上が、
青木が、中村が、石川が、選手たちが涙を流して喜びを分かち合
った。
「山本意地の9回」
(山本意地の9回1失点) 「熱投141球チーム鼓舞」
1-1で迎えた六回。オリックスの山本に試練が訪れた。先頭山田
の三ゴロを宗がはじき、続く村上の遊ゴロを紅林が落とす。後がな
い試合での連続エラー。足を引っ張られても、背番号18は動じな
かった。
無死一、二塁から、内角速球でサンタナのバットをへし折り、狙い
通りの二ゴロ併殺打に。続く中村はカーブで遊ゴロに仕留め、無失
点で切り抜けた。七回無死でも紅林の緩慢な守備があったが、それ
もカバーした。「気持ちのこもった投球ができた」
吐く息は白かった。シーズンでは経験しない寒さにも耐えた。苦し
い場面も多かったが、真っすぐに強さがあった分、打ち取れた。終
盤になってからはスライダーを交ぜた。必勝を期した試合の投球パ
ターンで九回まで投げて1失点、11奪三振の内容だった。魂の1
41球で示したのは、これぞエースの姿だった。
だが、山本の力投は実らなかった。これが日本シリーズの難しさか
。延長十二回、救援の吉田凌が決勝打を浴びた。5時間に及ぶ熱戦
。逆転日本一を狙ったオリックスの、山本の夢はついえた。ツバメ
大飛躍、選手信じ最下位から頂点川端十二回に決勝打、初の延長戦
死闘5時間。
(オリックス神戸で終戦)
25年前に歓喜をつかんだ神戸で、日本一を逃した。オリックスは
打線が7安打を放ちながら1点止まり。接戦、熱戦の連続のシリー
ズで競り負け、中嶋監督は「負けたから悔しい」と唇をかむ。
「2年連続最下位」
2年連続最下位と負け癖が染みついたチームを、前回の日本一を捕
負け癖が、戻る3
手で支えた中嶋監督が生まれ変わらせた。「最後まで諦めない」と
反骨心を植え付ける。
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