(ウクライナロシア軍原発制圧、稼働中に砲撃線量異常なし、偶発
トラブルなら大惨事)
ロシア軍は4日、ウクライナ南部にある欧州最大級のザポロジェ原
内部リンク
発を砲撃し、制圧した。同国の原子力当局が発表した。研修施設で
火災が起き、1号機の関連施設が損傷したが安全性には問題なく、
周辺の放射線量に異常はないとした。原発は一部が運転中だった。
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稼働原発への軍事攻撃は史上初。原発企業によると、ウクライナ兵
3人が死亡、2人が負傷した。
国連安全保障理事会は4日(日本時間5日未明)、原発砲撃を受け
欧州最大級の
、ウクライナ情勢を議論する緊急会合を開く。外交筋が明らかにし
た。
原発砲撃は1986年のチェルノブイリ原発事故を上回る大惨事に
なりかねず、国際社会が非難。原発は職員が安全基準に従って管理
しているという。
ザポロジェ原発はウクライナ最大の出力を誇り、総電力の2割を担
う。6基ある原子炉のうち1号機運転を停止していたが、4号機は
運転中。残る4基は停止に向け冷却作業を進めていた。ロシアは重
要インフラを手中に収めることでウクライナへの圧力を強め、非武
装化などの要求をのませる狙いとみられる。
国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は4日、深刻な危険が
生じるとして攻撃停止を訴えた。バイデン米大統領はウクライナの
ゼレンスキー大統領と電話会談。両者はロシアに軍事行動をやめる
よう求めた。
ウクライナ側によると、中部ジトーミルでは4日、学校がロシア軍
のミサイル攻撃を受け建物の半分が崩壊。首都キエフ北東側のチェ
ルニヒウ州では3日に住宅地が空爆され47人が死亡した。
「ロシア軍が4日」
ロシア軍が4日、ウクライナで稼働中の大規模原発を攻撃し制圧し
稼働中の、戻る1
た。主要な電力供給源を掌握して混乱を引き起こす狙いとみられる
が、原子力災害と隣り合わせの前代未聞の武力行使。原子炉を直接
の標的にはしなかったもようだが、誤射など交戦中の偶発的トラブ
ルが大惨事に結び付く恐れがあった。専門家は「戦時下の原発の防
護は困難だ」と警鐘を鳴らす。
原子炉が整然と並ぶ欧州最大級のウクライナ南部ザポロジェ原発。
暗闇の中、おびただしい数の砲弾が放たれ、燃え上がった建物から
白い煙が立ち上る。ところどころで飛び散る火花。近くの駐車場に
は、煌々と明かりを放つ照明弾のようなものが相次いで落下した。
敷地に設置されたライブカメラが攻撃を克明に捉えていた。
(原子炉6基集中)
ウクライナ当局によると多数のロシア軍の戦車や歩兵隊が、原発か
ら数キロ離れたバリケードを突破し道路上で戦闘を繰り広げながら
原発に向かって進撃したという。同原発にはウクライナにある15
基の原子炉のうち6基が集中する。いずれも旧ソ連で開発された加
圧水型軽水炉だ。ロシアは原発への攻撃を禁じるジュネーブ諸条約
第1追加議定書を批准している。その国際的約束を踏みにじった。
ウクライナはかつて天然ガスなどの資源調達でロシアに依存してい
た。だが、ロシアが2014年にウクライナ南部クリミア半島を強
制編入し東部で紛争が始まると、16年以降はロシアからのガス輸
入を停止。現在は国内電力の約半分を原子力で賄っている。
ロシアの狙いについて多くの専門家は「電力供給を止めるため」と
みる。戦時下で電気が止まれば市民生活は重大な支障をきたし戦意
はそがれる。「核兵器とイメージが重なる原発を攻撃することで大
惨事を想起させる、明らかな脅迫だ」との見方も。
「ロシアは今後も」
ロシアは今後も残りの原発の制圧を目指すとみられる。放射性物質
残りの、戻る2
が拡散すれば、自らも打撃を受ける可能性が高く、原子炉を直接攻
撃する動機は薄いとみられる。ただ交戦中の誤射などで電源が喪失
したり、運転員が負傷したりして大事故につながる恐れは排除でき
ない。
NPO法人原子力資料情報室の松久保肇事務局長は「原発は核燃料を
冷やすための取水装置や配管が打撃を受けただけでも事故が起きる
」と指摘。「誤爆で送電網が破壊されたり、運転員が避難して制御
がままならなくなったりするなど、想定外のきっかけで大事故にな
ることがあるかもしれない」と話す。日本の原子力委員会で委員長
代理を務めた鈴木達治郎長崎大教授によると、原発の安全規定は通
常、戦争を想定していない。事故時の放射能汚染の範囲は「核兵器
よりも原発の方が広い」。ロシアや欧州の広域で住民が避難を強い
られたりする最悪シナリオは否定はできない。
エネルギーと安全保障に詳しいカナダ・ブリティッシュコロンビア
大のM・V・ラマナ教授は攻撃で大事故のリスクは「大きく高まる」
と指摘し、「現時点ではロシア軍に攻撃をやめさせるしかない。だ
が簡単なことではないだろう」
(原発砲撃 首相「暴挙」 ゼレンスキー氏に伝達)
岸田文雄首相は4日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会
談で、ロシアによるザポロジェ原発への砲撃について「決して許さ
れない暴挙で、東京電力福島第1原発事故を経験した国として最も
強い言葉で非難する」と伝えた。東京都内で記者団に明らかにした
。これに先立つ国家安全保障会議(NSC)4大臣会合で、情報収集と
分析に当たるよう指示した。
松野博一官房長官も記者会見で「蛮行は認められない。原発事故が
生じれば、ロシアを含む周辺国の広範囲な地域に深刻な影響を及ぼ
す」と批判。日本国内の放射線監視装置(モニタリングポスト)に
変化はないとした。
国内の原発にミサイル攻撃があった場合の対応を問われ、海上、航
空両自衛隊による迎撃を組み合わせた「多層防衛」で対処すると説
明した。
「林芳正外相も」
林芳正外相も参院予算委員会で「原子力関連施設への攻撃を含む侵
参院予算、戻る3
略を強く非難する」と語った。ウクライナロシア軍原発制圧、稼働
中に砲撃線量異常なし、偶発トラブルなら大惨事。ロシアはジュネ
ーブの原発を攻撃しないという条約にも批准している。それでも今
回のウクライナの原発を攻撃したことは、決して許されることでは
ない。人道的に考えても常識である。ロシアもソビエト時代にチェ
ルノブイリ原発事故を経験している。原発の怖さは充分に理解して
いるはずである。ロシアの現状は無政府主義の無差別攻撃である。
病院や幼稚園を標的にするなど正常な人間では、考えられない攻撃
をする。老人や子どもが多く亡くなっている。いくら戦争状態でも
人間としてやってはいけない最低限のル-ルがあるはずです。侵略
戦争を始めておいて無差別攻撃を平気でやります。もはや彼らは正
常な人間とは思われません。情けない話です。ニュースを見るたび
に悲しくて涙が出ます。
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