(公共交通先細る地域の足、行政支援も「足りない」北陸鉄道の石
川線、大幅減便)
1日午後、北陸鉄道石川線の新西金沢駅では、下校する高校生や買
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い物に向かう近所の高齢者らが電車を待っていた。乗客は手持ちの
小型扇風機やうちわで暑さをしのぎ、電車が到着するや、涼を求め
下校する高校生
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て車内に駆け込んでいった。
「便数が1時間に1本だけになり、仕事に間に合わないことが出
てきた。待ち時間も長く、かなり不便です」。石川線で通勤する金
沢市のパート従業員和田美紀さん(60)は、汗を拭いながら、不
満を口にした。
(大幅減便)
北鉄は昨年4月のダイヤ改正で、石川、浅野川両線の運行本数を大
幅に減らした。金沢市と白山市を結ぶ石川線は平日が1日当たり1
0本減の50本、土日祝日は4本減の48本に。午前10時と午後
0時台は1時間2本から1本とし、終電時刻も最大約1時間繰り上
げた。
高齢者や学生らの生活に影響を及ぼしている減便だが、厳しい経営
状況が続く北鉄にとって、不採算路線の整理は避けられない判断だ
った。2021年度決算は2期連続の最終赤字で、コロナ前の19
年度に25億円あった内部留保は8億円に目減りしている。同社は、
このペースで赤字が続けば債務超過に陥る可能性もあるとする。
「設備更新費などで国や県」
設備更新費などで国や県、金沢など沿線4市町から年間4億3千万
金沢など沿線4市町、戻る1
円余の補助を受けている同社は、事業継続にはさらなる支援が必要
として、沿線自治体に線路などインフラの維持管理負担を任せる
「上下分離方式」の導入を要請。宮岸武司社長は賞与カットや給与
のベア(ベースアップ)見送りといった経営努力は講じているとし、
「これ以上の人件費や設備投資の抑制は難しい」と強調する。
もっとも、厳しい財政事情は自治体側も同じ。関係者からは「民間
事業者でありながら『資金が足りないので公金を』という主張が広
く理解を得るのは容易ではない」との指摘も上がる。
(郊外より厳しく)
鉄道以上に深刻なのが、郊外の路線バス事業だ。
西日本ジェイアールバス(大阪市)は6月末、夕日寺、薬師谷、三
谷など金沢市北部の山間地域を走る路線の一部区間を廃止した。
同社の大久保範繁北陸支店長は廃止の理由に、1便当たりの利用者
数が数人にとどまり、採算が合わなくなっていたことを挙げる。特
に山間部など郊外では「利用は減っていく一方の状況だ」と理解を
求めた。
「同地域では7月から」
同地域では7月から、地元の町会連合会が市の補助を受けて運行主
地元の町会連合会、戻る2
体となる乗合タクシーが導入された。運行日は週3日程度だが、停
留所数はバス路線の約4倍に増え、住民はより自宅近くから乗車で
きる。
夕日寺校下町会連合会の中川一成会長は「バス路線廃止で住民には
不安があった。地域が中心となって、乗り合いタクシーをより利用
しやすい仕組みにしていきたい」と腕まくりする。
山間部など郊外を走るバス路線を維持するため、金沢市が昨年度、
西日本ジェイアールバスと北鉄の赤字補填に計上した予算は計69
06万円に上った。
ただ、人口減少が深刻な郊外では利用が回復する見込みは薄く、今
後も減便や廃線の危機にさらされるのは必至だ。赤字補填という
「止血剤」もいつまで続けられるかは分からない。
「参院選では、各候補が」
参院選では、各候補が医療の充実や地域経済の再生などの政策を
医療の充実や、戻る3
訴えているが、どれだけ消費喚起や福祉向上に努めようと、地域
の足である公共交通網が先細りすれば、サービスを享受できる市
民は限られてしまう。高齢化が進み、コロナ禍であらゆる交通イ
ンフラの利用が落ち込む今、その維持が喫緊の課題として浮上し
ている。公共交通先細る地域の足、行政支援も「足りない」北陸
鉄道の石川線、大幅減便。確かに郊外の公共交通機関は鉄道も路
線バスも乗客減少を受け、減便または廃止が行われる。コロナ禍
の影響や少子高齢化社会の問題などが考えられる。この先も続く
と思います。関係自治体から赤字補填をしてもらっても回復しま
せん。非常に難しい問題です。乗り合いタクシー方式も既に始め
ています。そんなに効果は期待できません。もっと斬新なアイデ
アを導入する必要があると思います。
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