(高倉健さんが愛した絶品ステーキ、ひよこ閉店金沢・菊川で58
年、82歳林さん「やりきった」)
金沢を代表するステーキの名店「ひよこ」が30日、その歴史に幕
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を下ろした。金沢市菊川1丁目のこぢんまりとした店舗で58年。
メニューは1万2千円の絶品ヒレステーキのみで、かつて俳優高倉
「ひよこ」が30日
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健さんも通い全国からファンを集めた。体調不良に牛肉の高騰が重
なり、店主の林肇さん(82)は「やりきったし、こんでいいわ」
と決断。予約で満席となった最終日、常連客は狭い店内でビフテキ
を頬張り、最後の味をかみしめた。
30日午後4時、カウンターには5人が座り、ひよこの最後の営業
が始まった。タマネギやナスが焼かれた鉄板に、林さんが豪快に鹿
児島産の300グラムの牛ヒレ肉をのせると、小さな店内には「ジ
ュー」という音と香ばしい匂いが一気に広がった。
客は手際よく肉をさばく林さんを静かに見つめ、ミディアムレアの
厚きりのステーキをじっくり味わった。閉店を知って2人前を注文
した会社役員棚辺亮介さん(38)は「肉だけで腹いっぱいになれ
る唯一無二の店。毎年誕生日にお世話になっていたので、本当にさ
びしい」と話した。
「ひよこは、1964年」
ひよこは、1964(昭和39)年2月15日に創業。同じ年に最
2月15日に、戻る1
初の東京五輪があり、林さんは営業を続ける目標としていた2回目
の東京五輪を迎えた昨年、「そろそろ潮時」と閉店を考え始めたと
いう。
店名の「ひよこ」は、現在の店舗の場所にあった焼き鳥店から譲り
受けたもの。「牛なのにひよこ」はお客さんをなごませる林さんの
定番のギャグだ。
ステーキだけで勝負するとの思いから、ご飯は用意していない。林
さんは「炊き方が分からん」と冗談を飛ばすが、そんなこだわりに
高倉さんら著名人も魅了された。
2019年ごろには商売道具とも言える腕に疲れがたまり、左肩に
人工骨を入れた。店を半年休業すると、インターネット上では「ひ
よこが閉店したらしい」という書き込みがあふれた。林さんは「び
っくりしたわ」と振り返る。
「コロナ禍で休業を」
コロナ禍で休業を余儀なくされ、席数も8席から6席に減らした。
余儀なくされ、戻る2
それでも続けてこられたのは「お客さんの『また来たい』が聞きた
かったから」と林さん。今後はしばらく休養するつもりとのことで
「本物を出し続けられて幸せやった。やることはやった」と笑顔で
店の明かりを消した。
(常連客から惜しむ声)
名店の最後に常連客らからは惜しむ声が上がった。開店時から親子
で通ったという地元企業の経営者は「昔は豚バラやタンのメニュー
もあった。娘もファンで閉店を伝えると涙ぐんでいた」と話した。
絶品ステーキは多くの力士の舌もうならせてきた。大相撲金沢場所
で、横綱白鵬の後援会顧問を務めた北川物産(金沢市)の北川博会
長が「ひよこ弁当」を大量に注文し、力士に差し入れしたところ人
気が爆発。大関・貴景勝は平幕時代「金沢と言えばひよこのステー
キ」と楽しみにしていた。
「遠藤(穴水町出身)」
遠藤(穴水町出身、金沢学院大附属高OB、追手風部屋)が1日で
追手風部屋、戻る3
平らげた7人前は店の最高記録で、炎鵬(金沢市出身、金沢学院大
OB、宮城野部屋)は「多くの力士がショックだと思う。自分も一
度、店で食べたいと思っていました」と残念がった。高倉健さんが
愛した絶品ステーキ、ひよこ閉店金沢・菊川で58年、82歳林さ
ん「やりきった」。牛のヒレステーキ一筋に58年、中々難しい仕
事だと思います。料理の仕事は常に味が評価されますから大変な仕
事です。現役時代は毎日が研究と修行の連続でしょう。林さんは肉
で勝負するのだからご飯は作らないと言っていました。頑固な人だ
と思いました。言い換えればそれだけ肉に情熱をかけていたのでし
ょう。ひよこと言えば肉それもヒレステーキがすべてだったのです
ね。林さんは晩年左肩に人工骨を入れる手術をしています。最後の
執念でしょうか。とにかく凄い生き方をした人だと改めて感じます。
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