(川北の島集落、受け継がれる防災の知恵、ニュータウンでも備え、
30~40代がメンバー)
川北町役場の裏手、「島集落」の与九郎島に隣接する町最大のニュ
内部リンク
ータウン「ひばりタウン」。子育て世帯を中心に県内各地から転入
者が相次ぎ、現在は142世帯532人が住む。水田地帯で17年
隣接する町最大の
外部リンク
前に造成された住宅地は、町内全21地区の中で人口が2番目に多
くなり、まだ成長を続けている。
(30~40代がメンバー)
21日、ニュータウンの一角に真新しい防災倉庫がお目見えした。
6月に結成された自主防災組織のメンバーが購入予定のヘルメット
や、要支援者やけが人を乗せる車いすの使い方を確かめる。メンバ
ーの中心は30~40代の住民。「実は、防災資機材はこれから集
めるところなんです」と自主防災組織リーダーで区長の平祐一さん
(39)は話す。
くしくも6月19日の結成集会の直前、珠洲を震度6弱の地震が襲
った。「災害はいつやってくるか分からない。備えの大切さを痛感
した」。報道に触れた平さんは、気を引き締める。
「町内では島集落など」
町内では「島集落」など、各地で自主防災組織が結成されている。
各地で自主防災組織、戻る1
1934(昭和9)年の手取川大洪水をはじめ、幾多の水害を乗り
越えてきた集落には、水害時の対応など古老から語り継がれたノウ
ハウがある。ニュータウンにはそれがない。
日頃から、避難場所の位置を確認するべし。非難が遅れそうな高齢
者も把握し、助け合う手段を確認すべし。「島集落」の教えを受け
たひばりタウンの公民館長石田諒さん(30)は「昔からある集落
の人たちの防災意識は高く、多くのアドバイスをもらった」と語る。
子育てや仕事の合間を縫って住民が独自に仕上げた防災マニュアル
は、手取川の水害や地震への備えをまとめた。「普段から住民同士
が顔を合わせる機会を増やし、地域のコミュニティー力を高めたい」
と平さん。避難誘導の手順や救出救護などの役割分担も定め、なる
べく早い時期に初の防災訓練を行う予定だ。
「町内にある四つの」
(急速な高齢化懸念)
町内にある四つのニュータウンのうち、20年前から造成されて4
ニュータウン、戻る2
8世帯150人が暮らす田子島の「なでしこタウン」では、早くに
自主防災組織が活動を始めた。ただ、運営を担うメンバーは50代
前後が中心だ。成長して「なでしこ」を巣立つ子どもが増え、まち
全体が急速に高齢化する懸念もある。
新興住宅地が、高齢者が多い「オールドタウン」化すれば、防災の
担い手不足に直結するのは明らか。「住み続けたいと思えるよう、
住民の交流と結束の場を増やしていくしかない」。富樫宏介区長
(52)は、状況に応じた防災力のあり方に思いを巡らせる。
「川北町の水田地帯で」
川北町の水田地帯で宅地開発が本格化して25年。手取川の治水
宅地開発が本格化、戻る3
が進み、水害の可能性が格段に低くなったとはいえ、無関心では
いられない。普段は美しい手取川が暴れた時はどう動くべきか。
「島集落」にならう新興住宅地では、自然に住民交流が盛んにな
り、命を守る意識が若者に受け継がれていく。それが川北の強み
となっている。川北の島集落、受け継がれる防災の知恵、ニュー
タウンでも備え、30~40代がメンバー。
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