理事長室の机や床には、災害復旧関連の資料が所狭しと山積みにな
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っていた。「元日の地震から片付けてる暇がなくて」との言葉通り、
揺れではずれたとみられる間仕切りのパネルもそのままだ。
所狭しと山積みに
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奥能登で被災した輪島、穴水両支店は震災からほぼ1週間後の9日
に再開した。職員が本店から現金を持って応援に行く形としたが、
出金はわずかで、盗難防止のためにタンス預金を持ってくる人たち
が多かったようだ。
(美談ではない)
職員の安全を考えれば支店を開けるのは時期尚早だったというのが
本音という。「それでも、ニーズがあれば開けて良かったと思うが、
決して美談にしてはいけない。職員も被災者であって、本来は仕事
どころでなかった」と話し、職員への感謝を口にした。
「地震から2カ月近くたち、取引先から」
地震から2カ月近くたち、取引先から切実な相談が増えてきた。コ
切実な相談が増えてきた、戻る1
ロナ下で受けたゼロゼロ融資の返済が始まった上に、自宅も事業所
も崩れ、借金を返す手段がなくなった先も少なくない。
「今は補助金でも何でも使えるものは使って、商売を続けられると
いう希望を持ってもらうことが一番大事。商売がなくなれば、雇用
も消え、人もいなくなる。何とかなるとのメッセージを早く伝えな
いと、手遅れになってしまう」。震災後、職員には補助金申請の手
続きを徹底的に勉強するよう指示を出した。最近は、り災証明の申
し込み方法まで説明する職員もおり、頼もしく感じているそうだ。
「109年の歴史なのか、困ったらのとしん、というのが定着して
いる。行政並みといかないが、頼りにされている分、質問されたら
返せるようにしたい」。自身もこの日の昼食時に、通りがかりの知
り合い3人に国の補助金について説明したという。
今回の地震で人口減少への危機感がさらに強まった。「金庫の人員
は今のところ足りているけれど、取引先の人繰りは厳しい。極端な
ことを言うと、地図に能登が残っても、人がいないちいきでは、な
りわいも成り立たない」。商売を続けてもらうため、「今年度、来
年度は損失を出しても顧客の負担を軽くしないといけない。それだ
けの覚悟でやる」と言い切る。
「とりわけ気掛かりなのが、長期休業を」
(和倉、復興シンボルに)
とりわけ気掛かりなのが、長期休業を強いられる和倉温泉だ。建屋
強いられる和倉温泉だ、戻る2
に亀裂が入ったり、護岸がズタズタになったりした旅館がある。宿
泊者数がコロナ下から回復し、「さあこれから」という矢先の震災
だった。
「能登の復興を描く中で、シンボルの一つにしないといけない。た
だ、いくら立派な建物ができても、おもてなしを支える人がいなけ
れば機能しない。やはり国、県に人材流出の防止策を早急に検討し
てもらいたい」
「最後にカメラを向けると、慌てて」
最後にカメラを向けると、慌ててジャケットを取り出した。セータ
ジャケットを取り出した、戻る3
ーに綿パン姿。スーツを着用すべき場面を除いて、最近はこの格好
でいることが多い。「避難所から金庫に通う職員がいる間は、この
格好で通したい。支援物資を運んだり、おれも何でもやるぞと、姿
勢を見せたい」。まちなかでは、営業を再開する店も増えてきた。
「あんた、元気やったけ」と声を掛け合う住民の姿を目にするたび
に、元気をもらう気がしている。商売続ける希望を、のと共栄信用
金庫・鈴木正俊理事長、損失出しても支える。今回の地震で大きな
被害を受けたのが和倉温泉だ。今は長期休業をしている。建物が大
きな被害を受けたのが厳しい状況により一層の拍車をかけている。
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