(人類進化研究にノーベル賞、沖縄科技大在籍、ペーボ教授、困難
なDNA解析に成功)
スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2022年のノーベル
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医学生理学賞を、DNA解析に基づく人類の進化の研究で成果を上
げたドイツ・マックスプランク進化人類学研究所のスバンテ・ペー
3日2022年のノーベル
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ボ教授(67)に授与すると発表した。ペーボ氏はスウェーデン出
身で、沖縄科学技術大学院大の客員教授も務めている。
授賞理由は「絶滅した人類のゲノム(全遺伝情報)と進化に関する
発見」。
ペーボ氏は、約4万年前に絶滅したネアンデルタール人の骨片のゲ
ノム解析を行い2010年、ゲノム配列を発表。欧州やアジアに住
む現代人のゲノムの1~4%がネアンデルタール人に由来し、ネア
ンデルタール人が現生人類と交雑していた証拠を示した。
シベリアの洞窟から出土した骨片由来のDNAからもゲノムの解読に
成功。それまで知られていなかった絶滅した人類のものと確認し
「デニソワ人」と名付けた。世界各地の現代人と比較した結果、メ
ラネシアや東南アジアの集団でゲノムの最大6%がデニソワ人由来
だったことが分かった。
「ペーボ氏は研究の初期に」
ペーボ氏は研究の初期に、DNAを増幅させて調べるPCR法を使って
DNAを増幅させて調べる、戻る1
試料を分析。その後、大量のDNAを調べることができる「次世代シ
ークエンサー」を利用して、ネアンデルタール人のゲノム配列を決
定した。ペーボ氏の父親も1982年にノーベル医学生理学賞を受
賞している。
授賞式は12月10日にスウェーデンで開かれる。新型コロナウイ
ルスの影響で出席が見送られた20年と21年の受賞者も招き、3
年ぶりに対面形式で行われる。賞金1千万クローナ(約1億3千万
円)が贈られる。21年の物理学賞に選ばれた真鍋淑郎・米プリン
ストン大上席研究員(91)も招待されているが、真鍋氏は今年9
月、体調不良を理由に欠席すると記者団に語った。
(困難なDNA解析に成功・人類学に新たな光)
ペーボ教授は、困難と考えられていた数万年前の古い人類のDNA
解析に成功した。「人類はどこから来たのか」という人類学の問い
に新しい角度から光を当てた。
ペーボ氏は、1980年代から人の骨などに残るDNAの解析を始
めた。2000年代には大量のDNA配列を調べられる装置を利用
し、4万年ほど前に絶滅したネアンデルタール人の骨片由来DNA
を調べた。その結果、現生人類のゲノム配列の1~4%程度はネア
ンデルタール人に由来していることが分かり、現生人類の祖先と混
血していたことを突き止めた。
「このことから約7万年前に」
このことから、約7万年前にアフリカを出た現生人類がネアンデル
アフリカを出た現生人類、戻る2
タール人と出会った後に世界中に拡散したと考えられるようになっ
た。
またロシアのデニソワ洞窟から出土した骨片のDNAを調べ、未知の
人類であることを発見。「デニソワ人」と命名した。
これらの業績は、絶滅した人類遺伝子が、現生人類に生理学的に影
響を与えていることも明らかにした。例えば、デニソワ人由来のE
PAS1という遺伝子は標高の高い場所での生存に有利に働く。他
にもネアンデルタール人由来の遺伝子はわれわれの感染症に対する
免疫にも影響を与えている。
最近ペーボ氏は、ネアンデルタール人から受け継いだ遺伝情報が、
新型コロナウイルス感染症の重症化を抑える効果があると指摘し
ている。
「親交のある長谷川政美」
親交のある長谷川政美統計数理研究所名誉教授は「彼の研究によ
統計数理研究所名誉教授、戻る3
り、現代人をゴリラなど遠い親戚としか比較できなかったのが、
ネアンデルタール人のような近い親戚と比較できるようになった。
自分自身を遺伝的に理解するための手がかりを与えてくれた」と
業績をたたえた。人類進化研究にノーベル賞、沖縄科技大在籍ペ
ーボ教授、困難なDNA解析に成功。ペーボ教授はネアンデルター
ル人の4万年前の骨片からDNA解析に成功し、DNA配列の解読に
成功した。またロシアのデニソワ人の7万年前のDNA解析にも成
功した。デニソワ人は未知の人類であることも分かった。ペーボ
氏は、1980年代から人の骨などに残るDNAの解析を始めた。
40年以上の研究の経験からノーベル賞に認められたのだと思い
ます。それにしても素晴らしい研究成果を上げました。
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