(総理が語る、第95代野田佳彦氏、安倍さんと激論私の成長に、
勝ち逃げを修正)
2020年に亡くなった父義信は、富山県の旧野積村(現・富山市
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八尾町野積地区)の出身で、農家の6人兄弟の末っ子でした。富山
の人は勤勉、堅実と言われますが、自衛官だった父はまさに謹厳実
旧野積村(現・富山市
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小学校3、4年生の頃だったでしょうか。成績が下がり、「げんこ
つをもらうかな」と恐る恐る通知表を出すと、予想に反して父は褒
めてくれました。日常生活の講評欄に「野田君は正直の上にばかが
つく」と書かれていたからです。「おやじは数字で表せない部分を
重視するんだ」と驚いたのを覚えています。
「富山の野田」が支え
親戚とは今も強い絆で結ばれています。「千葉の野田」は「富山の
の野田」に支えられています。昨年7月、都内で安倍(晋三元首相)
さんの葬儀が営まれた日は、いとこの葬儀で富山に行っていました。
安倍さんの追悼演説は、オファーがあれば謹んでお引き受けするし
かないと思っていましたが、難しかった。原稿用紙に向かってもな
かなか書けないんですよ。菅(義偉)全総理のように「総裁選に出
ましょう」と、焼き鳥屋で口説いた関係でもないですから
そうなると安倍さんの前の総理として、限られたエピソードで伝え
るしかありません。ただ、褒めすぎると野党は引いてしまうし、け
ちをつければ与党が引いてしまう。ご遺族も来られる。
「八方丸く収まる表現はものすごく難しいな」と悩みながら、本当
に一字一句、練り上げました。
「当日は与野党から万雷の拍手が」
当日は与野党から万雷の拍手が起こり、そこでまず安堵しました。
起こり、そこでまず安堵、戻る1
そして読み上げた原稿を昭恵夫人にお渡しし、「野田先生にお願
いしてよかった。主人も喜んでいます」といわれた時、「ああ、
これで本当に肩の荷が下りた」とほっとしました。
安倍さんとの論戦で忘れられないのは時の総理、自民党総裁とし
て対峙した2012年11月14日の党首討論です。私が衆院の
議員定数と議員歳費の削減を条件に「16日に解散してもいい」
と明言した時、安倍さんはさすがにたじろいでいましたね。
党首討論は「かんかんがくがく議論した」「相手をけなした」
「けんか別れした」では、やる意味はありません。平場で決め
られないことをトップ同士で決める、一致点を見いだすための
ものだと思います。
この時、安倍さんの要求は解散でした。「それを飲むから議員
定数と歳費の削減を約束してほしい」と提案したところ、「約
束する」という一致点があったから解散したのです。極端なや
り方かもしれないですが、一致点を見いだすのが政治なんです。
「学生時代、私は柔道部でした」
学生時代、私は柔道部でした。政治家になったわりに寝技は下
政治家になったわりに寝技は、戻る2
手でしたが。講道館柔道の創始者、嘉納治五郎先生の教えに
「自他共栄」の精神があります。「共に成長していきましょう」
という考えです。
この精神に立つと、やっぱり安倍さんという政敵がいたから党
首討論をできたわけですし、予算委員会などの丁々発止もあっ
たわけです。改めて思い返すと、今日の自分があるのは少なか
らず安倍さんの存在のおかげであり、それが私自身の成長にも
つながったのだと思います。
もちろん、悔しい思いもいっぱいしています。解散まで決断し
たわけじゃないですか。あの時、「この人たちは国会へ戻れな
いだろうな」と思う同士もいました。仲間の奥さんやお子さん
の顔も思いうかびました。そういうことを覚悟して解散し、負
けているわけですから。
追悼演説で「勝ちっ放しはないでしょう」と述べたのは「いつ
かは勝たせてもらう」という強い気持ちの表れです。実は最初
に「勝ち逃げはないでしょう」と書いたのですが、「闘う政治
家」の安倍さんは逃げたわけではないので「勝ちっ放し」に修
正しました。
(街の風景が一変)
一政治家の時と異なり、総理になると街の風景が一変します。
車で移動中、交差点で元気のないサラリーマンを見ると「景
気が悪いのかな」と不安になり、買い物かごを手にした主婦
が険しい顔をしていると「やりくりが厳しいのかな」と心配
になるわけですよ。
「いや、分からないですよ」
いや、分からないですよ。どれも個人的な事情かもしれませ
どれも個人的な事情かも、戻る3
ん。それでも浮かない顔をした人、つらそうな人を見ると
「俺のせいかな」と思うわけです。1億2千万人の命や暮ら
し、あらゆることの最終的な責任を負っているのが総理なの
だと思います。総理が語る、第95代野田佳彦氏、安部さん
と激論私の成長に、勝ち逃げを修正。総理大臣という仕事は
大変だと思います。野田さんは民主党が初めて政権を取った
時の総理です。選挙は大変だったと思います。しかし民主党
が圧勝したはずです。何の仕事にしてもトップは大変だと思
います。
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