能都町松波は生活に便利な地域で、町外からの移住者に選ばれやす
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いという。スーパーやドラッグストアを含む商店、町役場支所、学
校、金融機関などが集約された「コンパクトタウン」が人気のよう
町外からの移住者に
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で、確かに都市機能がギュッと詰まっている。
「歩ける範囲で生活に必要なものをそろえることができ、こども園
や小中学校も近い」。自らも8年前、金沢市から家族6人で松波に
移り住んだ町定住促進協議会事務局次長の森進之介さん(43)が
移住者を引き寄せる松波の魅力を説明する。
そんな松波に2年前に転入してきたのが、のと海洋ふれあいセンタ
ー(同町越坂)に勤務する県職員の荒川裕亮さん(31)と彩加さ
ん(34)夫婦である。
栃木県出身の荒川さんは「ヤツメウナギを研究しなければ、能登町
と関わることはなかったかもしれません」と笑う。入学した石川県
立大の柳井清治特任教授から勧められ、大学4年から大学院修了ま
での7年間、ヤツメウナギが生息する能登町柳田地区の町野川に通
い詰めた。
「生きた化石」とも称されるヤツメウナギ。1980年代まで盛ん
に漁が行われていたが、近年は河川改修の影響で数を減らした。3
年前には絶滅の恐れがある県内の野生生物をまとめた「いしかわレ
ッドデータブック」の改訂作業にも加わり、絶滅危惧2類に指定さ
れることになった。
「2年前、県職員に採用されると」
(一軒家で暮らし)
2年前、県職員に採用されると、配属先は縁のある能登町内。森さ
配属先は縁のある能登町内、戻る1
んに相談したところ、松波の一軒家での暮らしを勧められた。
金沢市出身の彩加さんは「松波の生活は肌に合う。友達が増えたし、
食材も豊富でおいしい」と喜ぶ。
彩加さんは今春、念願だったデザイン事務所を起業した。金沢美大
卒業後、商品をデザインする「プロダクトデザイナー」だった経験
を生かし、レトルトカレーのパッケイジなどを手掛けた。夫の依頼
でヤツメウナギのイラストも描き、研究活動をサポートする。
2015年から移住者の受け入れを担ってきた森さんが重視するの
は、移住者との面談である。見知らぬ土地でどんな暮らしを望んで
いるかや近所付き合いの程度、家族構成を把握し、最も適している
と思う地域や集落を勧める。
「どの地域に移り住むかが大事な」
「どの地域に移り住むかが大事なポイントです」と森さん。町内に
ポイントですと森さん、戻る2
約200ある地区や集落では、祭礼などの行事や習慣が一つ一つ異
なる。移住先で地元住民と価値観が合わず、互いに苦しい思いをし
てほしくないとの願いからだ。
(キリコ責任者に)
松波で暮らす森さん個人にとっても、うれしいことがあった。7月
に営まれた「松波人形キリコ祭り」でキリコ運行の責任者を務める
組長にえらばれたのだ。
地元出身者以外が選任されることは珍しいだけに、森さんは「受け
入れてくれ、懐の深さに感謝、感動です」と笑顔を見せる。
「寄せては返す波は単調な繰り返しに」
寄せては返す波は単調な繰り返しに見えるが、途切れることもない。
見えるが、途切れることも、戻る3
松波も波と同じように一つとして同じものはなく、さまざまな魅力
に満ちていた。寄せては返す松波、コンパクト、人呼び寄せ、研究
が縁で移住、妻は起業。夫はヤツメウナギの研究、妻は起業でプロ
ダクトデザイナーどちらもかなり大変な仕事だと思われます。
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